【時系列】ビッグモーターの不祥事を最もわかりやすく解説|不正の原因は時代背景か

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保険金水増し請求や、ゴルフボールで傷をつけたなど物議かもしている、中古車販売大手のビッグモーター

今回は、ビッグモーターの不祥事をわかりやすく時系列にして解説していきます。

また、なぜこの不正や不祥事が起こってしまったのか、時代背景と合わせてみていきます。

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ビッグモーターの不祥事を最もわかりやすく解説

ビッグモーターの不祥事を最もわかりやすく解説

ビッグモーターは中古車販売の業界トップで、300店舗7000億円以上の売上があります。

王様のようなポジションです。

中古車の販売、整備、修理、買取、損害保険、リース、車検などができます。

ビッグモーターで不祥事が発覚したのが、2015年でした。報道は2016年からされるようになっています。

不祥事一覧

2016年12月:ビッグモーター慣行(罰金制度)発覚
2017年2月:社長の指示で罰金制度が作られていた
2021年:保険料水増し請求が発覚
2022年2月:サンプル調査でも水増し請求
2023年2月:車検不正で行政処分
2023年4月:バンパー傷つける不正整備動画
2023年5月:社内LINEで「完全犯罪」
2023年7月:水増し請求が再度発覚
2023年7月:損害保険会社3社が保険金の返還要求
2023年7月18日:社長、幹部の報酬自主返上
2023年7月18日:決められた手順を踏まず、工場長の降格処分

2015年というと、現社長の兼重宏行氏から実質の経営権が、息子の兼重宏一氏にうつった年です。

現社長の兼重宏行は、71歳ということもあり、高齢を理由に一線から退いていました。

社長の名前はあるものの、経営権は息子という感じです。

参考記事:兼重宏一は現在どこに逃亡【候補5選】2024年最新コナン君の行方

2016年12月:ビッグモーター慣行(罰金制度)発覚

売り上げを多く上げた店長に、ノルマ未達の店長が罰金を払うというものです。

この罰金制度は、現社長の息子である、兼重宏一氏によって作られたものです。

「分配について社内に規定はなく、会社と関係なく店長間で慣習的に行われていた」と説明。店長が支払いを断るケースもあるとした上で、「会社からは一切強制していないため、違法性はないと認識している。拒否できない空気があったのであれば、会社として配慮すべきだったかもしれない。

産経新聞

と会社側は知らぬ顔をしています。

大幅にノルマを上回った店長には15万円を1カ月で渡されていて、逆にノルマを大幅に下回った店長には最大で10万円の罰金があったようです。

・ノルマ大幅更新、報酬10万円
・ノルマ更新、報酬5万円
・ノルマ更新できず、罰金5万円
・ノルマ大幅に更新できず、罰金10万円

といった形です。

2017年2月:社長の指示で罰金制度が作られていた

知らぬ顔をしていたビッグモーター側ですが、社長の指示でこの慣行があったと判明します。

社長は兼重宏行氏。

社内全員に向けられたメールで、兼重社長は

昨年6月に全社員宛てに送られた兼重社長名での社内メールでは、「保険選手権大会に関して」とのタイトルで「罰金を払うということは、店長としての仕事をしてないということだ!」「罰金を払い続けて、店長として(中略)恥ずかしくないか!」などと記載されていた。

産経新聞

と送っているんですね。

要するに容認していたことが発覚しています、さらに

また、月間目標額について「過去に(達成可能な)1人当たりの増収額を全店長に質問したところ、50万円なら可能というので、それなら25万円なら間違いないねということで月額25万円を基準にスタートしました」と書かれ、兼重社長自身が設定に関与したことを示す内容もあった。

産経新聞

慣行の罰金制度の金額設定までも社長が行っていたことが明らかになっているというわけです。

会社側は強制していない、と言っています。

ただ、そういった環境があったこと、容認していたこと、工場長にプレッシャーがかかり続けていて、辞めた後にリークされたのは事実といえます。

参考記事:ビッグモーター社長が逮捕されない理由|社長辞職で無傷の身代わりか

2021年:保険料水増し請求が発覚

2021年:保険料水増し請求が発覚

2021年秋、東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、の3社がビッグモーターに対して保険料水増し請求の返還を要求しています。

これが発覚し返還を受けた理由は、ビッグモーターの内部通告があったためです。

確実に内部でも問題視している人がいたというわけです。

2022年2月:サンプル調査でも水増し請求

2022年2月:サンプル調査でも水増し請求

東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、が内部通告を受け、ビッグモーターにサンプル調査をしています。

水増し請求の案件は80件にも上り、

・中古の部品を新品としたり
・傷のない車両のパネルを板金塗装したり

することで、保険料を水増ししていたことが発覚。

しかし、これに対してビッグモーターも意見して難航します。

「工場と見積作成部署との連携不足や、作業員のミスなどによるもの」「意図的なものでないことを確認している」などと整理し、兼重宏行社長の指示をはじめ組織的関与はないと主張

東洋経済

会社側としては、そういったことは指示していない、やっていない、と責任を回避し、あくまでも個人がしたこととしているというわけです。

2023年2月:車検不正で行政処分

車検不正により3店舗が行政処分となっています。

滋賀県、佐賀県、熊本県などで、不正改造と、車検不正により行政処分です。

これに対しても、店側に責任があるとしてビッグモーターは責任を回避しています。

2023年4月:バンパー傷つける不正整備動画

2023年4月:バンパー傷つける不正整備動画

こちらはお客さんのパンクをさせる動画。

傷のついていないバンパーをゴルフボールの入った靴下で叩きへこませる、という手の動画が公開されています。

もちろんこれも不満を感じていた、辞めた社員からのリークです。

パンクさせ修理費を稼ぐというものですね。

ビッグモーターには@、あっと、と呼ばれるいかに修理費を稼ぐかが大事であり、1台につき14万円以上を目標とされていたため、自ら壊し、修理させるという流れが横行していたというわけです。

2023年5月:社内LINEで「完全犯罪」

こちらもビッグモーター元社員からの告発です。

交換したていで、というのは、交換もしていない車のオイルを交換したことにして、工賃やオイル代をもらうというものですね。

2023年5月:社内LINEで「完全犯罪」

完全犯罪ということで、お客さんは気づきようがないわけですが、このラインのテンションからして、いつも通りという感じがするのは私だけでしょうか。

2023年7月:水増し請求が再度発覚

7月7日に、以前発覚した水増し請求とは違い、また新たに水増し請求があったと発覚します。

サンプル調査で4割を超える、半数近い水増し請求が確認されています。

やはり@14万円以上を稼ごうとなると、お客さんの車を破壊するしか方法はなく、水増し請求が日常的に行われていたことがわかりますね。

みかねた、損害保険三社が保険金の返還要求をしています。

2023年7月:損害保険会社3社が保険金の返還要求

これが7月14日。

前回の水増し発覚時には、保険金返還要求までたどり着けなかった損保3社ですが、今回は要求していますね。

ビッグモーターが、車の修理費用について、自動車保険の保険金を不正請求していたとして、大手損害保険3社が払いすぎた保険金の返還を求めている。 ビッグモーターは、外部の弁護士による調査委員会がまとめた報告書を示したが、一部が開示されていなかったため、損保側が追加の報告を求めていた。 関係者によると、追加報告の中で、ドライバーで車体に傷をつけたり、ゴルフボールを靴下に入れて振り回して車をたたくなど、悪質な行為があったと指摘されているいう。

FNNプライムオンライン

まだ結果は出ていませんが、変換することは間違いなさそうですし、法外な値段になることも予想されます。

参考記事:99%ビッグモーターが倒産しない理由|社名と社長変更で不祥事を免れるか

2023年7月18日:社長、幹部の報酬自主返上

ここまできて、ビッグモーター社長は1年分の報酬を返上しています。

また、幹部も割合に応じて返上していますね。

また、そのほかの経営陣の報酬についても
▽取締役副社長は50%
▽専務取締役は30%
▽常務取締役は20%
▽取締役は10%を、それぞれ3か月間自主返上するとしています。

NHK

ただやはり、痛くもかゆくもない金額であることは予想が付きます。

ビッグモーター社長が逮捕されない理由|社長辞職で無傷の身代わりか

2023年7月18日:決められた手順を踏まず、工場長の降格処分

2023年7月18日:決められた手順を踏まず、工場長の降格処分

今度は切り捨てごめん、という不祥事です。

水増し請求していた工場長を責任を取らせるために、決められた手順を踏まず、降格処分していたことが明らかになりました。

不正に降格させられた工場長は

・2020年に20人
・2021年に15人
・2022年に12人

になっているようで、コマのように切り捨てられて行っています。

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なぜビッグモーターで不祥事が起こったか

なぜビッグモーターで不祥事が起こったか

では、そもそもなぜビッグモーターでは不祥事が生まれ続けていったのでしょうか?

これは企業の土台に問題があったと考えざるを得ません。

・厳しいノルマがあった
・1台14万円以上の修理費用を求められた
・ゴルフボールで叩いて破壊、保険料水増し
・上司にいい報告をするものが出世した
・ノルマ未達ならLINEでさらしあげられる

など、の理由がありますが、そもそもなぜこんな風土になってしまっているのかが根本的な問題といえますよね。

時代背景から読み解く戦略ミス

なぜビッグモーターで不祥事が起こったか

1976年創業のビッグモーターは人口が爆発的に増えている中で、全国展開をして販売店を沖縄まで拡大させています。

要するにイケイケどんどんの状態だったんですね。

ただ、全国展開が終わり、人口も増えが止まると、今度はジェットコースターが下るように一気に落下していきます。

少子高齢化、車は買わずリースの時代、免許返納。

現場との違いすぎる温度差

ここでも、過去の攻め方だった時代にそぐわないイケイケどんどんをしたため、現場との乖離が激しくなっていたと言います。

ビッグモーターは2021年には全国北海道から沖縄263店舗、6000店舗まで成長。

とてつもない大拡大ですよね。

ただ、この大きな成功の裏に隠された失敗の要因があったようです。

実は今日の成功は、エスカレーターのおかげだが、経営陣は何やら自分たちの「営業努力」によってなし得たと過信してしまう。だから、苦しいときこそ原点に立ち戻ろうと、強気の拡大戦略にこだわる。広告をバンバンうって、現場の戦意を高揚させて、高い目標を設定してお尻を叩くなどの「努力」をすれば報われると勘違いしてしまう。

ITメディアビジネスオンライン

ビッグモーターの成功の理由は時代背景にあり、失敗の理由も時代背景にあったとも言えますね。

買取台数6年連続ナンバーワンというものも、自画自賛的な広告で失敗に陥りやすいマーケティングだと、窪田順生さんは語っています(ITmedia ビジネスオンライン)

調査員の立ち合いがない

ビッグモーターでは調査員の立ち合いがありません。

つまりどんな修理でも報告されれば保険会社はビッグモーターにお金を払う、ということです。

事故車を前にして、調査員と工場長が、修理費をどうするか話し合っていたわけですが、これがなくなっていき、言ってしまえば何でもありになっていたわけです。

損害保険ジャパンもビッグモーターを信頼していたからですね。

ただ、保険料を払っているのは一般のお客さんなので負担はそっちにのしかかっていたということです。

同業者からしても、この何でもありな状態は異常であり、こうなることは予想できたといいます。

追記:近日中に記者会見が

会見を一切行ってこなかったビッグモーターの兼重社長。

7月24日には近日中に会見をすると発表しています。

追記:25日に記者会見が行われ、26日社長を辞職することが決まりました。

次の社長は、和泉伸二専務のようですが、役員だったことからあまり変わらないのでは、という声が多発していますね。

また、株価も大暴落し、連日の報道で、ビッグモーターには車検の200件以上のキャンセルが出ているようです。

現在、兼重宏一前副社長は逃げた、逃亡したと言われており、雲隠れが続いています。

どこで何をしているのか、まとめてみました。

参考記事:兼重宏一は現在どこに逃亡【候補5選】2024年最新コナン君の行方

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